\n"; ?> 二本松城跡│史跡二本松城跡保存活用計画の概要について
史跡二本松城跡保存活用計画の概要について(イメージ)

史跡二本松城跡保存活用計画の概要について

令和5年3月 二本松市教育委員会

1 計画策定の目的(第1章)

本計画は、二本松城跡を次の世代へ確実に継承していくために、史跡の持つ本質的価値とその構成要素を明確にし、それらを適切に保存・管理していくため、「保存活用」、「整備」、「運営体制」の現状と課題を把握し、課題を改善するための方向性と方法を明確化することを目的とします。
〈計画期間〉
計画は、概ね10年間を見据えた短期・中期の具体的な計画とします。
〈計画の対象範囲〉
本計画の直接の対象範囲は、史跡二本松城跡の史跡指定範囲ですが、史跡指定地外である城下町も史跡二本松城跡を理解する上では重要な要素であるため、計画の対象範囲とします。

2 二本松城跡の概要(第2章)

史跡二本松城跡をとりまく「社会的環境」、「自然的環境」、「歴史的環境」、「発掘調査の成果」、「自然被害と復旧」についてまとめました。

3 史跡等の概要(第3章)

二本松城跡の「史跡指定に至る経緯」、「指定の状況」、「指定後の経過」をまとめました。

4 史跡二本松城跡の本質的価値(第4章)

○畠山氏が整備した中世城館の遺構、畠山氏と伊達氏との戦闘の様子、その後の復旧の様子がよく残されている、東北地方を代表する城跡
○中世山城の施設を活かしながら、近世城郭への機能が整備されている姿がよく残されている城跡
 ◆石垣、土塁、堀切、平場、切岸などの地上遺構
 ◆発掘調査で確認された地下遺構と遺物
〈地区区分〉
史跡に指定された範囲を本丸地区、二ノ丸地区、三ノ丸地区、本町谷地区、大手門地区 の5つに区分し、各地区の本質的価値を構成する要素を抽出しました。

5 保存と活用の大綱(第5章)

中世から近世にかけて継続して利用された東北地方を代表する近世城郭
~市民が誇る二本松城跡を確実に将来に伝える~

6 二本松城跡全域の共通する現状と課題、方向性と方法(第6章)

○指定範囲の遺構等の全容を発掘調査や史資料調査で解明していきます。
○史跡二本松城跡の本質的価値が確認された隣接地の追加指定を目指します。
○指定範囲は、各地区の本質的価値や構成要素を活かした整備を目指します。
○指定範囲の植生管理・樹木伐採、防災、景観等に関するマニュアルを整備します。
○指定範囲に建造された建物や構造物は、当面は維持しますが将来は史跡外への移設を検討します。

7 史跡指定地内の地区ごとの現状と課題、方向性と方法(第7~11章)

本丸地区
慶長期から江戸後期にかけての石垣が残されていることから、石垣の歴史が学べる「石垣博物館」としての整備を目指します。
二ノ丸地区
中世畠山氏が整備した土塁や堀、平場が残されている北西側は、「土の城」を感じることができる整備を、南東側は、「中世から近世にいたるまで利用され続けた平場」を感じることができる整備を目指します。
三ノ丸地区
加藤氏が高石垣を積み上げて作った空間を、丹羽氏が政治の中枢地として整備したことが理解できるよう、「丹羽氏政治の中心地」として平面表示による整備を目指し、菊人形との連携も検討します。
本町谷地区
初代藩主丹羽光重が隠居所として茶室や庭などを整備した本町谷を、発掘調査や史資料調査を行いながら、「殿様がつくったお庭」としての整備を目指します。
大手門地区
奥州街道沿いに整備された二本松城の大手門は、戊辰戦争で焼失しましたが、門台石垣と掘に面した石垣が残っており、「二本松城の表玄関」としての整備を目指します。

8 史跡指定地外の地区ごとの現状と課題、方向性(第12章)

史跡指定地の外側を史跡隣接地区、郭内地区、郭外地区、観音丘陵地区に分け、それぞれの現状と課題、方向性をまとめました。
史跡隣接地区
中世の館跡、二本松藩の藩校跡、石切場跡など、史跡二本松城跡の本質的価値に関する構成要素が確認された地区で、追加の発掘調査を実施し、史跡指定を目指します。
郭内地区
この地区にあった侍屋敷は戊辰戦争で焼失し、明確な侍屋敷跡は残っていませんが、開発工事に伴う調査や立会等で、地下の状況を確認しながら、歴史講座やフィールドワーク、研究会等で歴史的意味を説明していきます。
郭外地区
奥州街道沿いに寺社・町人屋敷として整備された地区で、町人屋敷の地割跡や奥州街道、大隣寺等が残っています。開発工事に伴う調査や立会等で地下の状況を確認しながら、歴史講座やフィールドワーク、研究会等で歴史的意味を説明していきます。
観音丘陵地区
中世畠山期には本丸を守る館跡が設置され、近世丹羽期には、郭内と郭外を分けるために利用されました。遊歩道やサイクリングロードからは、二本松城跡や城下を眺望できる場所もあります。開発工事に伴う調査や立会等で地下の状況を確認しながら、歴史講座やフィールドワーク、研究会等で歴史的意味を説明していきます。

9 現状変更等の取扱い方針及び取扱い基準(第13章)

史跡内における現状変更等の取扱い方針と取扱い基準を明確にしました。

10 施策の実施計画(第14章)

短期的(概ね5年)施策の主なもの
○石垣カルテを作成し、石垣の日常管理を行います。
○植生管理、植生保護、樹木伐採、防災等に関するマニュアルを作成します。
○学校教育、社会教育向けのプログラムを整備します。
○史跡内における地区ごとの特色が体感できるルートを設定します。
○本町谷地区の発掘調査、史資料調査を実施し、「殿様がつくったお庭」を整備するための基礎資料を整えます。
中期的(概ね10年)施策の主なもの
○史跡隣接地の発掘調査を実施し、その成果をもとに追加指定を目指します。
○景観に関するマニュアルを整備します。
○パンフレットの整備、スマートフォンが活用できるシステムを整備します。
○本町谷地区を「殿様がつくったお庭」としての整備の在り方を検討します。
継続して実施する施策の主なもの
〇史跡内の樹木・草木、公園施設等の維持管理を継続します。
〇学校教育、社会教育における二本松城跡の活用を継続します。
〇ホームページや二本松歴史館で史跡二本松城跡に関する情報を発信します。
〇本計画を推進する体制の維持、拡大、予算の確保に努めます。

11 経過観察(第15章)

各施策の実現状況を把握するため、定期的に自己点検を行います。
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