\n"; ?> 二本松城跡│整備基本計画
整備基本計画(イメージ)

二本松城跡整備基本計画

1.策定の目的
 二本松城跡は歴史と文化を継承する貴重な遺産であることから、これをよりよい形で後世に伝えるために、
城跡に関する現状を把握し、課題を抽出して今後の城跡全体にわたる保存・整備のための整備基本計画を策定する。 2.策定期日
平成23年3月31日
3.指導委員会
二本松城跡整備検討委員会
4.概要

目的

 二本松城跡は中世から近世まで同一箇所で城郭が営まれ、その痕跡が現存する極めて貴重な遺跡であることが最大の特色であるため、これを保護し、将来へ継承することを第一の目的とする。そのためには市民それぞれが二本松城跡の重要性を認識する必要がある。誰もが憩える自然公園として維持すると共に、二本松城跡を二本松の歴史を理解する契機となる「歴史公園」「城跡公園」とすること、すなわち、“市民の憩いの場としての「歴史公園」” を整備後の理想像とする。
 このために、二本松城跡に市民が常に親しむことのできる条件を整備し、二本松城跡を市民一人ひとりが他市へ紹介できる“たからもの”としての意識と自らが所有者である意識とを育てる。これにより城跡についての理解と保護が市民全体でなされ、市民が城跡の管理者となることを目指す。

基本方針

(1)計画の対象範囲

 史跡指定範囲(内城・大手門)と景観保全のための周辺区域。特に内城と大手門は直線距離にして約1kmの距離があり、これをつなぐルートも景観保全の必要な区域となる。
 また、中世城館の痕跡を内包したまま近世城下町を形成していったことを示す“観音丘陵”は、その存在そのものが二本松を特徴付ける要素として認識すべきものである。

(2)整備の対象時期

 「中世城館と近世城郭が同一箇所で営まれた城跡」という特色を十分に理解し、遺構が時代ごとに錯綜していることを認識して保存・整備していく必要がある。
 山頂付近は中世山城、中腹以下は近世城郭として整備することが二本松城跡の特徴を最も表現できる整備手法である。

整備の方向性

 史跡内に残された遺構・文化財を保存・継承し、統一した整備を行っていくためには、種別ごとに整備の方向性を決定する必要があり、“平場”“石垣”“土塁・堀などの土木構築物”“石碑、建造物、天然記念物等その他の文化財”の4つに分類して方向性を明示した。

全体ゾーニング

 史跡指定範囲(内城・大手門跡)と景観保全のための周辺区域を対象とし、内城と大手門跡をつなぐルートも景観保全の必要な区域となるため、町並みをも含めた広域のゾーンを設定する。内城においては遺構の発掘調査の状況、現況および保全すべき景観等を勘案し、以下の6地区に区分する。

a)遺構整備ゾーン

  1. 本丸ゾーン=加藤期の本丸石垣、蒲生期の大石垣
  2. 搦手門ゾーン=畠山期の切岸とそれを補強した加藤期の石垣蒲生期以前の掘立柱門跡、加藤期の礎石立搦手門跡と門台石垣
  3. 蔵屋敷(上)ゾーン=掘立柱塀跡と井楼櫓跡、礎石立屏風折塀跡
  4. 蔵屋敷(下)ゾーン=丹羽期の煙硝蔵跡と番屋跡
  5. 新城舘ゾーン=畠山期の掘立柱建物跡
  6. 三の丸ゾーン=上段:幕末期の屋敷跡・庭園跡
              下段:江戸期の地下排水遺構、明治期の製糸工場遺構、上段との段差石垣
  7. 大手門ゾーン=天保3年の大手門跡と堀跡、本陣跡
  8. 本丸ゾーン北側=畠山期の土橋、L字型ホリキリ、土塁と空堀、とっくり井戸

b)遺構保全ゾーン c)景観整備ゾーン d)景観保全ゾーン e)施設整備ゾーン f)町並み整備ゾーン

5.今後の整備計画について

サイン整備

平成23年度
サイン整備実施計画の策定
平成24~25年度
サイン整備(動線の整理を含む)

遺構整備

平成23年度
保存整備のための発掘調査(三の丸高石垣西面)
平成24年度
遺構露出展示(三の丸高石垣西面)
平成25年度
保存整備のための発掘調査(第1駐車場埋没石垣)
平成26年度
遺構露出展示(第1駐車場埋没石垣)
第17図:二本松城跡広域整備計画図
第17図 二本松城跡広域整備計画図
PDFダウンロード
第18図:二本松城跡整備計画図
第18図 二本松城跡整備計画図
PDFダウンロード

第19図:二本松城跡動的計画図
第19図 二本松城跡動的線計画図
PDFダウンロード
第24図:文化財広域整備計画図
第24図 文化財広域整備計画図
PDFダウンロード

二本松城跡整備基本計画目次

第1章 整備の目的と計画策定までの経緯
第2章 二本松城跡の概要
第3章 二本松城跡の現状と課題
第1節 歴史的環境
(1)城歴 (2)周辺の遺跡
第2節 自然的環境
(1)位置と地形 (2)地質 (3)気象 (4)植生 (5)動物(6)景観
第3節 社会的環境
(1)人口 (2)土地利用と所有状況 (3)交通・アクセス (4)産業
(5)観光と周辺の文化財 (6)城跡内の文化財 (7)関連計画
第4節 発掘調査の成果
第5節 現状における遺構保存上の問題点
第4章 整備の目的と基本方針
第1節 目的
第2節 基本方針
(1)計画の対象範囲 (2)整備の時期 (3)景観の保全
(4)中核施設とガイダンス施設    (5)整備後の理想像
第5章 基本計画
第1節 全体計画
(1)整備の方向性
(2)全体ゾーニング
a)遺構整備ゾーン b)遺構保全ゾーン c)景観整備ゾーン
d)景観保全ゾーン e)施設整備ゾーン f)町並み整備ゾーン
(3)動線
(4)サイン計画
第2節 発掘調査計画
第3節 施設配置計画
第4節 修景・景観保全計画
(1)城内景観(2)城からの景観(3)城へのアクセス景観
第5節 文化財広域整備計画
第6節 管理運営計画
第6章 事業化に向けての課題と将来の課題
(1)発掘調査と追加指定 (2)公有地化 (3)城跡内の利用状況の改善
(4)関連法規との調整と規制法の充実 (5)運営組織の確立
(6)大手門と城跡間の景観断絶    (7)関連計画との調整
戻る